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しおばらたすけいちだいき
塩原多助一代記
三遊亭 円朝
Read 塩原多助一代記 (しおばらたすけいちだいき) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 138,733 characters · 274 screens
時は、己は一言半句でも申訳がねえ、それだから私の眼の黒いうちは何うしても此の祝言をさせる事は出来ねえ」
かめ「お前さんは何ぞというと多助々々と仰しゃるが、何故そんなら一軒の主人が親や女房を捨てゝ出て往ってしまいました、さアお前さんは多助を贔屓にするから、若し帰って来たらば、お作さんの婿にでも何にでもおしなさい、私は何うしても彼様な者は家へ入れません」
太「其の事柄が極った上で婿を取るなら取るもいゝが、極らねえうちは取らせねえ、己ア分家だに、はい」
かめ「祝言と云っても内々だけの婚礼で、村へ知らした訳でも何でもありませんわな」
太「仮令内祝言でも己ア分家だから内輪だが、内輪の己に知らせねえという法はあんめえ」
と頻りに争って居りますと、土間の方から五八が、
五「旦那様確かり遣っておくんなせえ、村中が付いて居りやすから確かりやってお呉んなせえ」
と呶鳴りますし、太左衞門の申すのは実に理の当然ゆえ、おかめも困って居りますと、其の頃は名主というと威張ったもので、幸左衞門という名主様が、
幸「太左衞門/\」
太「こりゃア飛んだ迷惑な所へお出でなすって、嘸お困りでがんしょうが、今申した