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しおばらたすけいちだいき
塩原多助一代記
三遊亭 円朝
Read 塩原多助一代記 (しおばらたすけいちだいき) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 138,733 characters · 274 screens
んなせい、やアお父様なに殿様、どうぞお願いでがんすから、お母様なに御新造様どうぞ旦那様へ取次いでお顔を見せておくんなせえよう御新造様」
と我を忘れて縁側に這上って男泣に泣倒れるを、障子の内で聞く鹽原角右衞門も堪え兼る親子の情合、思わず膝へはら/\と涙を落しましたが、流石に武家魂は違ったもの、屹と思い返して声を荒らげ、
角「黙れ、早く往かぬか、何時までも兎や斯う無礼のことを申すか、苟めにも殿様のお側近くを勤むる身の上で、炭屋の下男に知己は持たん、ぐず/\して居ると障子越に槍玉に揚げるぞ」
多「へい/\参りやす、突殺されては仕様がねえ、あゝ有難え親心だなア、自分だって逢いたくもあんべいけれども義理堅いお人だから、一旦人に呉れたもんだから己ア子じゃねえと云って、先方の子と思わせべいとするのだ、己だって実の子だか嘘の子だか知ってるが、堅いから槍で突殺すと云いやんしたから、是から槍で突殺された気になり、死身になって奉公しやすんから、どうぞ心配しねえで下せい、ハア段々お寒くなりやんすからお体を大事にしてくだせい、私い立派になるまでお達者でいておく