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しおばらたすけいちだいき
塩原多助一代記
三遊亭 円朝
Read 塩原多助一代記 (しおばらたすけいちだいき) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 138,733 characters · 274 screens
処が、山出しの多助の野郎に見顕わされ、化の皮が顕われてしまったから、此の儘じゃア帰れねえ、さア此の大きな家台骨から突き出されゝば本望だ、さア突出して貰おう」
番「突き出すって、どうもこりゃア困った」
と番頭は頻りに心配致して居ります処へ、此の頃は只今とは違いまして人力がございませんから、駕籠で大急ぎに参りまして、トン/\トン/\「ちょっと此処をお明けなすって下さい」と今度は本当の吉田八右衞門という人が、涎をたら/\滴らし這入ってまいり、只見れば先程の奴が自分の形装で居りますから、八右衞門は突然此の野郎と云いながら、一生懸命に這上がって、小平の胸ぐらを掴んで放しません。
八「此の野郎呆れた野郎だ、己が身体利かねえようにして、己が荷物から脇差から大事な書付まで盗みやがった、盗賊々々、此の野郎々々」
小「静かにしろえ」
と云いながら八右衞門の手を逆に捻って其処へ投げ付け、草鞋穿きの儘でドッサリと店先へ上り、胡坐をかきまして、
小「やい百姓、実は己ア小平という胡摩のへえだ、上州で人殺から足がつき、居られねえから其の場をふけ、猿田船へ乗って江戸へ着き、先刻濱田で飯を食いながら聞いていると、手前が此の山口屋善右衞門へ八十両の為換を取りに来たという事を聞いちゃア遁さねえ地獄耳、手前の跡を付けて来て、転んだ