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しおばらたすけいちだいき
塩原多助一代記
三遊亭 円朝
Read 塩原多助一代記 (しおばらたすけいちだいき) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 138,733 characters · 274 screens
こともなく、貴方のお得にもなり、天下の人が歩く度にどの位助かるか知んねえから、世界の人のために石を敷きやんすので、決して四谷の押原横町と見て敷くのじゃアねえ、矢張お宅の前へ敷く心で居りやんす」
善「成程恐れいりました、感服だのう和平どん」
和「うっかり口出しは出来ませんなア、此の間の藁草履の勘定で驚きましたよ、こりゃア事に依ったら得がついて返る事があるかも知れません」
善「二十両出して石を敷くのは宜いが、お組屋敷で彼是いやアしないか」
多「それも私が心配だから、彼処の手前の横町に石屋がありやすから、石を敷いて咎められやしねえかと聞いたら、傍にお箪笥町の鳶頭が立って居やんして、いうには、己がお組へ往って届けて呉れようと、親切に石屋の親方と私と三人で一緒にめえり、お組屋敷のお頭に届けやんしたら、お頭も段々次第を聞き、大きに感心なことだ、往来の者の仕合で、決して咎めねえから早々と敷くが宜いと、実はお組のお頭も得心なせえやした事です」
善「早いのう、感心だ、そんなら早速金を持って往くがよい」
と金子を渡すと、多助は金を懐に入れ、提灯を携げて佐久間町の家を出て、聖堂前にかゝり、桜の馬場へ上って参りました。