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しおばらたすけいちだいき
塩原多助一代記
三遊亭 円朝
Read 塩原多助一代記 (しおばらたすけいちだいき) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 138,733 characters · 274 screens
花「お父様本当でございますか」
杢「往きたいか」
花「本当にあんな人はないと思います、彼処へ嫁に遣って下さいますれば、どんなにもお父様に孝行致しまする」
杢「おゝ感心だ、宜く云った、何うも平常乙な理窟を云うだけお前の心底が宜しいが、併しあの炭屋は何処のもんだか家が分らないで困るが、明樽買いと懇意な様子だから、彼奴を呼んで聞いて見たら分ろうが、然るべき媒妁を頼み、娘を貰って下さいと云ったら、屹度炭屋は御用達の娘は嫌いだぐらいは随分云い兼ねえ男だから、兎も角も明日明樽買いが来たら呼んでくれ、相談をして見ようよ、これ/\よしや、明日のう、あの粗々っかしい明樽買いが来たら、少し用があるから呼んでくれ、門の方から入れずに裏口の外庭の方から入れてくれろ、いゝか」
下女「畏りました」
と其の日は暮れ、翌日に相成りますと時間違わず例の通り、
久「明樽はござい/\」
と流して参りました。
下「ちょいと明樽屋さん」
久「へい/\何方様でございます」
下「あの旦那様が、何だか鳥渡お目にかゝりたいからと仰しゃいますから、どうぞ庭の開きから入って下さいまし」
久「何方様で、藤野屋様で、是は誠に有難い