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しおばらたすけいちだいき
塩原多助一代記
三遊亭 円朝
Read 塩原多助一代記 (しおばらたすけいちだいき) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 138,733 characters · 274 screens
女「あゝ、いゝお子だねえ、もしえ、おかみさん、あなたのお娘子でございますか」
かめ「はい、左様でございます」
女「お幾歳になりますえ」
かめ「はい七歳でございます」
女「あなたは何処へおいでゞす」
かめ「私は上州小川村までまいりますのですが、小川村というと何処へ出ましたら宜しゅうございましょう」
男「小川村というのは上州も東口とやら、山国と聞きましたが、大層遠方へおいでゞございますねえ」
女「お前さんは江戸言葉のようですが、何の御用で小川村へお出になります」
かめ「はい私の良人が小川村に居りまして、それへまいりますが、誠に旅馴れませんから困ります」
女「左様ですか、私どもは前橋に居りますが、もとは中橋で生れまして、江戸生れでございますから、前橋でさえ寂しくっていけませんに、そんな山の中へおいでになるのは、お一人で嘸マアお心細いでしょう、ねえさん此処へお出で」
人見知りをしない子ですから、
えい「おばアさん」
と顔を横にして云うから、
女「さア此のお肴をお喫り」
かめ「あれさ、いけないよ、誰方様の所へでも構わずあがって困ります」
女「私は子煩悩ですが、子と云うのは此の悴ばかりで、女の子はどうも可愛らしくッて、さア、これをおたべ」