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しおばらたすけいちだいき
塩原多助一代記
三遊亭 円朝
Read 塩原多助一代記 (しおばらたすけいちだいき) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 138,733 characters · 274 screens
た事かと思い、角右衞門も仕方がないから岸田右内の墓場へまいりますと、まだ新らしい卒塔婆が立ちまして、村の者が手向けますか、香花はたえずに上げてあります。其の石塔の前へまいりまして、
角「もしお内儀さん、此処へ来なせえ、お前の御亭主に逢わせてやるから此処へお出でなんしよ」
かめ「誠に不思議な御縁で、あなたがお助け下すって、今年まで御厄介になって居りましたが、兄も江戸表へ出立しましたとの事ですが、私の夫岸田屋宇之助は此の村に居りますか」
角「はい、これがお前の御亭主でがんす」
かめ「はい、何処に居ります」
角「そこに徹巖忠操信士と書いてある、これがお前の亭主さ」
かめ「えゝ、それでは私の亭主は、あの亡りましたのですか」
角「訳をいうのも気の毒だから、今までは云わなかったが、云わなけりゃア分らねえから云うべえが去年九月の二日、私が用があって金を持って千鳥村まで往くと、あんたの御亭主が後から来て、もし旅人さん/\というから、はいと云って振りかえると、私が主人の為に五十両入るだから貸して呉れゝば、主人が江戸へ帰れる、損は掛けねえから貸して呉れろと手をついての頼みだが、見ず知らずの者に其様な事を云う