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しおばらたすけいちだいき
塩原多助一代記
三遊亭 円朝
Read 塩原多助一代記 (しおばらたすけいちだいき) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 138,733 characters · 274 screens
所へ、太左衞門は酒を持って来て、まア嫁ッ子からと云われた時は、何というべき言の葉も岩間の清水結び染めて、深き恵みに感じつゝ、有難涙に暮れて居りましたが、角右衞門は七月二日終に歿かり、戒名は一庵了心信士と申し、只今に八軒寺町の東陽寺という寺に石碑が残って居ります。先ず野辺の送りも済ませてしまい、それから三十五日に多助はおかめおえいと五八を連れて、養父の墓参りに参りました。其の時用事あって太左衞門はまいりません。参詣終りて四人連立ち、帰り道で雨が降出しましたから、
多「五八や雨が降って来て困るなア、沢山の降りも有るまいが、ひどくなると困るから此の木の下に雨宿りして居るから、駆けて行って傘を取って来てくんな」
五八「へい、往ってまいりましょう」
と急ぎ足で往ってしまうと、いつから附けて居りましたか、道連の小平と繼立の仁助が横合から頬冠りして出て来て、突然おえいを担いで連れて往こうとしますゆえ、多助は驚き、一生懸命小平の足にしがみ付き盗賊々々と云うのを、えゝ邪魔するなと蹴返せば、多助は仰向けに倒れたが、又起上り取付けば、おかめも驚き取付く所を横面を擲倒す、又這寄ってしがみ付く