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やまとゆきのにっき
山と雪の日記
板倉 勝宣
Read 山と雪の日記 (やまとゆきのにっき) by 板倉 勝宣 (いたくらかつのぶ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 32,279 characters · 67 screens
確かに不便であるが、われらが弱くて荷が背負えないのだから、この不便を忍ばねばならない。人夫は必ず猟師でなければならない。夏山を歩いた男などはかえって迷惑である。
山によっては、カンジキの道とスキーのとるべき道とは一致しないが、信州の山のように谷のほか登れないところならば、どうも仕方がない。人夫を連れていれば夜営は、そんなに早く着かないでも間にあう。木をどんどんきってもらって、われらは寝床の用意と飯の用意をすればいい。だから山男ばかりでない時には、人夫が二人は入用である。仕事にかかる前にパンを一かじりしないと仕事が早く行かない。
いつでも余分のパンをもっていなければいけない。全く雪の中で宿る時には、人夫がいないと、なかなか一晩の焚火がとれない。
腹がへり、身体が参って、おまけに寒くなってくると、仕事ははかどらない。
だから人夫なしで、歩きたいのは理想であるが、今の日本の雪中登山の程度では、やはり必要なのであろう。
スキーとカンジキ。あの辺の山は、谷をまっすぐに登らねばならぬところが出てくるから、スキーのみでは困難である。一昨年は常念の谷をスキーで登って、一時間半かかったが、今年はカンジキにはきかえて一時間で登った。