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のちのなりひらぶんじ
後の業平文治
三遊亭 円朝
Read 後の業平文治 (のちのなりひらぶんじ) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 109,545 characters · 216 screens
ぐち))に次(つい)では此の業平文治でございます。その新作の都度(つど)私(わたくし)どもにも多少相談もありましたが、その作意の力には毎度ながら敬服して居ります。師匠は皆様が御存じの通り、業平文治は前篇だけしか世に公(おおやけ)にいたしませぬが、その当時私(わたくし)は後(のち)の文治の筋々を親しく小耳に挟(はさ)んで居りました。即(すなわ)ち本篇が師匠の遺稿にかゝる後の業平文治でございまする。さて師匠存生中府下の各寄席(よせ)で演じ、または雑誌にて御存じの業平文治は、安永の頃下谷(したや)御成街道(おなりかいどう)の角に堀丹波守(ほりたんばのかみ)殿家来、三百八十石浪島文吾(なみしまぶんご)という者の忰(せがれ)でございまして、故(ゆえ)あって父文吾の代より浪人となり、久しく本所(ほんじょ)業平橋(なりひらばし)に住居(すまい)いたして居りましたが、浪人でこそあれ町地面(まちじめん)屋敷等もありまして、相応の暮しをして居りました。で、業平橋に住居して居りました処から業平文治といいますか、乃至(ないし)浪島を誤って業平と申しましたか、但(たゞ)しは男の好(よ)いところから斯(か)く綽名(あだな)いたした