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のちのなりひらぶんじ
後の業平文治
三遊亭 円朝
Read 後の業平文治 (のちのなりひらぶんじ) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 109,545 characters · 216 screens
ものかは確(しか)と分りませぬ。併(しか)し天性弱きを助け強きを挫(ひし)ぐの資性に富み、善人と見れば身代(しんだい)は申すに及ばず、一命(いちめい)を擲(なげう)ってもこれを助け、また悪人と認むれば聊(いさゝ)か容赦なく飛蒐(とびかゝ)って殴り殺すという七人力(にんりき)の侠客(きょうかく)でございます。平生(へいぜい)荒々しき事ばかり致しますので、母親も見兼て度々(たび/\)意見を加えましたが、強情なる文治は一向肯入(きゝい)れませぬ。情深(なさけぶか)き母親も終(つい)には呆れ返って、「これほど意見しても肯かぬ気性の其方(そち)、行(ゆ)く/\は親の首へ縄を掛けるに相違ない、長生(ながいき)して死恥(しにはじ)を掻こうより寧(いっ)そのこと食事を絶って死ぬに越したことはない」と涙を流しての切諫(せっかん)、それを藤原喜代之助(ふじわらきよのすけ)が見兼て母に詫入(わびい)れ、母は手ずから文治の左の腕に母という字を彫付(ほりつ)け、「以来は其の身を母の身体と思って大切にいたせよ」と申付けまして、それからというものは一切表へ出しませぬ。さア今まで表歩きばかりしていた