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かいきよんじゅうめんそう
怪奇四十面相/宇宙怪人
江戸川 乱歩
Read 怪奇四十面相/宇宙怪人 (かいきよんじゅうめんそう) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 182,581 characters · 364 screens
茶色のセーターをきて、小さな鳥打帽をかぶり、顔はあぶらで黒くよごれていますが、なんとなく、かわいらしい少年です。
自動車は矢のように走っています。しかし、ふしぎなことに、明智探偵事務所とは、まるでちがった方角です。日比谷から有楽町のほうにまがって、やがて、とまったところは、世界劇場の楽屋口でした。
明智探偵は、車をおりると、まるで、そこが、自分のうちででもあるように、世界劇場の楽屋口へ、はいっていきます。すると、運転助手の、まっ黒な顔をした少年も、明智のあとを追って、チョコチョコと楽屋口に走りより、その中へ、すがたをけしました。
楽屋口をはいって、階段を二つのぼったところに「村上時雄」と書いた木札のかかった部屋があります。明智がこの部屋のドアをあけると、中から、ひとりの俳優らしい青年が顔をだして、「おかえりなさい。」と、あいさつしました。
明智探偵が、劇場の楽屋へ来たのに、「おかえりなさい。」とは、なんだか、へんなあいさつではありませんか。ところが、そのつぎには、もっと、ふしぎなことが、おこりました。
明智は「村上時雄」の部屋にはいると、正面においてある鏡のまえに、ドッカと、あぐらをかいたのです。