Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

かいきよんじゅうめんそう

怪奇四十面相/宇宙怪人

江戸川 乱歩

Read 怪奇四十面相/宇宙怪人 (かいきよんじゅうめんそう) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 182,581 characters · 364 screens

Aozora Bunko

中に、だれか人間がいて、もちあげているのでしょうか。いや、そんなことは、とても、できません。直径五メートルもある金属のおさらですから、人間の力で、もちあがるものではありません。機械じかけで、ふたが、ひらいているのです。ブーンという音は、その機械の音にちがいないのです。

一センチ、二センチ、三センチ、重い金属のふたは、動いているか動いていないか、わからぬほどの速度で、しかし、かくじつに、ひらいていきます。

ふたのすきまが二十センチほどになったとき、そのすきまの中に、なにか黒いものが、動いているのが見えました。うすぐらいので、ハッキリはわかりませんが、なにかの生きものです。動物です。動物が、すきまから、そとの世界をのぞいているのです。

きこりは、なんともいえない、いやらしいものだったと、いっています。そいつには二つの目のようなものがありました。しかし、人間の目ではありません。サルやオオカミやキツネの目でもありません。きこりの知っている動物では、いつか山中で出あった、うわばみの目に、どこかしら似ていたといいます。大蛇の目なのです。

暗いので、そのほかのことは、よくわかりませんが、きこりは、いよいよ、こわくなって、こんどこそ逃げだそうと、おもったそうです。