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かいきよんじゅうめんそう
怪奇四十面相/宇宙怪人
江戸川 乱歩
Read 怪奇四十面相/宇宙怪人 (かいきよんじゅうめんそう) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 182,581 characters · 364 screens
行きたまえ。ぼくもこちらの用件がすみしだい、かけつける。じゅうぶん、注意してね。」という返事でした。
そこで、小林さんは、明智先生のおくさんにも、そのことを話したうえ、自動車にのって、虎井博士邸にいそぎました。
隅田川の川口ちかくは、工事の多いところですが、そのあいだに、まるで、切りはなされた別世界のように、こんもりした森があって、その中に、むかしの西洋のお城のまるい塔のような感じの、奇妙な建物がたっていました。
その建物の入り口に近づいて、大きなドアをノックしますと、中からドアがひらいて、思いもよらずそこに、ひとりの黒んぼうが立っていました。アフリカ土人のように、まっくろな顔の大男です。
ドアの中は、ひろい板の間になっていて、まっかなジュウタンが、しきつめてあり、おくのほうに、まがりくねった階段の、りっぱな手すりが、見えていました。
黒んぼうは、はでなしまの背広をきて、まるでサーカスの道化師のようなかっこうで、そこに、つったっているばかりです。
「虎井先生から電話があったので、うかがいました。小林というものです。」
小林君が言いますと、大男の黒んぼうは、じっと宙を見つめたまま、小林君の顔を、見むきもしないで、両手をぎごちなく、あげたり、さげたりしながら、へんなガラガラ声で答えました。