Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

ほうろうき(しょしゅつ)

放浪記(初出)

林 芙美子

Read 放浪記(初出) (ほうろうき(しょしゅつ)) by 林 芙美子 (はやしふみこ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 103,349 characters · 207 screens

Aozora Bunko

街に出てメリンスの帯一本買う。壱円弐拾銭(八尺)

何か落ちつける職業はないかと、新聞の案内欄を見る。いつもの医専の群、ハツラツとした男の体臭が汐のように部屋に流れて、学生好きの、八重ちゃんは、書きかけのラブレターをしまって、両手で乳房をおさえて品をつくる。

二階では由ちゃんが、サガレン時代の業だと云って、私に見られた羞かしさに、プンプン匂う薬をしまってゴロリと寝ころんだ。

「面白くないね。」

「ちっとも。」

私はお由さんの白い肌を見ると、妙に悩やましかった。

「私これで子供二人生んだのよ。」

お由さんはハルピンのホテルの地下室で生れたのを振り出しに、色んな所を歩いて来たらしい。子供は朝鮮のお母さんのとこにあずけて、子供のでない男と東京へ流れて来ると、お由さんはおきまりの男を養うためのカフェー生活。

「着物が一二枚出来たら、銀座へ乗り出そうかと思っているの。」

「いつまでもやる仕事じゃないわね。」

春夫の車窓残月の記を読んでいると、何だか、何もかも夢のようにと一言瞳を射た優さしい柔い言葉があった。

何もかも夢のように……落ちついて小説や詩が書きたい。

キハツで紫の衿をふきながら、