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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Read 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) by 室生 犀星 (むろうさいせい) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 177,454 characters · 357 screens
」
看護婦が見当をつけ、私と妻とに安心をさせようとした。が、酸素の鉄管のからばかりがたまり、もう次ぎの分がなかった。
「困った。宮川病院を起したらどうだ。」
すぐ近くに、去年私が入院したそれがあるので、夏が馳け出して行った。
「起きなかったら、石で門を叩け。」
そういううちにも、酸素は全くきれ、きゅうに室内がその水を潜らせる音が絶えてしまったので、ひっそりした、その寂そりした感じは、激しい不安を私に与えた。
「何をしているんだろう。」
私は気が気でなかった。「ちょいと行って来る。」そういうと、すぐ通りへ出、病院へ走った。病院の白い門の前に、夜明けがたの白っぽい門がみえ、夏がぼんやり黒ずんで立った。
「オイ、起きたか。」
近づくと私はそう叫んだ。
「ええ、いま開けていらっしゃるところです。」
間もなく、ぎいと門の開く音がした。私は夏をそっち退けにし、酸素を貸してくれるように頼んだ。
「事務のものも居ないものですから。」
下働きが睡そうにそう云って、すぐ出してくれそうもなかった。
「酸素のあるところを知っていますか。君は。」
「ええ、そりゃ存じて居ります。」
「じゃ僕が持って行く、そうして明日院長に話すから渡してくれたまえ。