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りょうりのみょうみ
料理の妙味
北大路 魯山人
Read 料理の妙味 (りょうりのみょうみ) by 北大路 魯山人 (きたおおじろさんじん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 1,598 characters · 4 screens
美味い料理をしようと思ったら、その根本は食品材料を生かせばよい、それだけのことである。材料を生かすということは、死んださかなを再び水に泳がすというふうな、そんな無理なことを言うのではない。くだいて言えば、「美味いものは宵に食え」と言う、これを実行すればよいのである。せっかく宵に食えば美味いものを、そうしないで、翌日に残して味を殺す。これが料理法の根本義に背くものだと知ればよいのである。牛肉など新しいのはかたくていけないが、これなど例外で、大体は新鮮が美味いと決っている。たいの刺身のように獲りたてもよし、一日ぐらい手当したのもよし、というようなものもあるが、小魚に至っては、なんとしても水切りに近いものをよしとする。蔬菜はなおさらのことであると知らねばならぬ。
土を離れて時の経つにつれ、味がよくなるなどという蔬菜は、まずあるまい。これだけ知っても、美味い料理はできるはずである。
次に心得べきことは、すべてのものはみな各自独特の味、持ち前の味をもっている。これを生かすということである。少なくとも、これを損じてはいけない。われわれが日常食う魚類は大体決っているようであるが、それでも一年を通じて数えたら、何百何千と多種類に上るであろう。