Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Read 新・水滸伝 (しん・すいこでん) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 684,899 characters · 1374 screens
「すまんね。あとかたづけまで君にまかせ切りで。何しろあれは余り丈夫な体質でない方だからな。気だてはいい女なんだが、心でわびながら寝たんだろ。かんべんしてくれ」
わが女房である。恋女房でもある。義弟の石秀へも悪くは見せたくないのであろう。楊雄は女房に代って言いながら、二階の階段をのぼって行った。……ああ、何だッてまた、あんな気のいい男が選りに選った女をお持ちなすったのかと、石秀は階段の下からその後ろ姿を見上げて、ふと義憤の眦を熱くした。
秘戯の壁絵もなお足らず、色坊主が百夜通いの事
路次の角店――一度は閉めた例の肉屋をまた開業して――石秀はもうくだらないムシャクシャなどは、努めて忘れようとするものか、今日は早くから店頭に顔を見せ、客へもお世辞をふり撒いていた。
すると、午すこし前のこと。
路次の奥から美しい女轎がぞろと出て来た。お供は小婢の迎児と、舅の潘爺さんとで、二人とも清々した外出姿、常ではない。
「おや、おじいさん、どちらへ?」
「石秀さん、留守を頼むよ。今日はの、それ……わしの死んだ家内の血盆経の願解きでな」
「へえ。報恩寺へですかい」
「先だってのご法要の晩、お住持の海闍梨さまと、むすめの巧雲がお約束をしたとやらで、聟どのの楊雄も、そんなことなら行って来いと、機嫌よくゆるしてくれたというわけじゃ。