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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Read 新書太閤記 (しんしょたいこうき) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 187,841 characters · 376 screens
卑屈茶わん
そして自分を取りかこむ人々を睥睨して、
「躁ぐな。持て余すほどな荷物なら、いつでも、この首、この胴を、べつべつにして持って歩け。この期になって、逃げかくれするような宮部善性坊ではない」
と、大言しながら、藤吉郎のいる丘の上へ追いあげられて行った。
「於虎。……行こう」
「もう捜さないのかい。おいいつけの人を」
「於福なら、そこらにいたよ。みんなに尾いて、一緒に丘へのぼって行った」
市松と虎之助も、後から味方を追いかけた。丘では、追々とひきあげて来る人々が、各※(二の字点、1-2-22)獲て来た敵の首級を、藤吉郎の床几の前にならべ合って、血のさかもりにどよめいていた。
卑屈茶わん
その夜、討ち取った敵の首級は、八十幾つと数えられた。
横山の城内からは、
「お迎えに参じました」
と、蜂須賀彦右衛門、竹中久作、松原内匠、そのほか留守居の人々が、主人の帰城を迎えに出た。そして、
「お留守中、ふがいもなく、御城門の一部をば、敵に焼かれ、また、大切な御士卒をも、幾十人か討死させました。申しわけもございませぬ」
と、重なる者、打ちそろって、罪をわびた。
藤吉郎、言下に、
「なんの、なんの」