Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Read 新書太閤記 (しんしょたいこうき) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 200,320 characters · 398 screens

Aozora Bunko

輿の上から雪崩れ打つ敵軍を眺めやると、むらむらと満身から大気が発する。叱※(「口+它」、第3水準1-14-88)する自分の声に、敵も退くかと思われる」

「……あ。危のうございます。この辺の崖道、山陰に雪があるため、雪解のしずくで辷りまする」

「下は渓流だな」

「お負いいたしましょう」

母里太兵衛が、背を向けた。官兵衛は、負われて渓流を越えた。

さて、何処へ行くのか?

それをまだ家来の二人とも聞いていない。つい今し方、麓の柵から、一人の武者が使いに来て、官兵衛の手へ何やら一通の書面を手渡して行ったのは見ていたが――それにしても何用が起ったのか、想像もつかない。

ただ松千代を呼びにやったとき、同時に、ほかの部署についていた太兵衛と善助へ、麓へ参るとき供して行け――ということばはうけていたが、内容はまだ聞いていないのである。

「殿……」

だいぶ歩いてから、ふと、そのことにふれてみた。栗山善助の口からである。

「こよいは何ぞ麓の陣地にあるお味方の部将から、お招きでもあって臨まれますので?」

すると官兵衛は、からからと笑って、

「なに馳走にでも、呼ばれて行くというのか。