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さんとんへやったてがみ
日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)
三好 十郎
Read 日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一) (さんとんへやったてがみ) by 三好 十郎 (みよしじゅうろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 4,930 characters · 12 screens
6
彼奴の骨は細っこいや、
なに坊主をだって? 坊主はいらねえ!
彼奴は坊主は嫌いだった、引導は俺達二人だ、
「おい、おかね、俺達は戦うぜ、
おい、おかね、俺達は勝って見せるぜ」
爺さん、そう言いな!
お前の一番しまいの言葉を憶えて置くんだ
「暗いから、あかりを――」
「暗いから、あかりを――」
もう熱も出んだろ、
地の下でユックリ腐れ、おかね!
6
その地の上で俺達はガンバルんだ
おい爺さん、そんなに泥にしがみ付くな
おかねだけじゃ無いんだ
おかねみたいに死んで行った連中で
地の下は一杯だ!
組合の前で、お前はいつか側杖を食って
犬の奴から撲り倒された事があったね
あん時、お前がころんで掴んだ泥のかたまりの中に
沢山のおかねが死んでいた、死んで腐っていたんだ
爺さん、どこの泥の中にだって
俺達の娘と女房とおふくろと妹がいるんだ、
奴等は俺達のする事を下から見ているんだ!
爺さん、立ち上れ
俺と一緒に工場の広場に行って
皆に言ってやれ、
指で下を差して言ってやれ
「みんな、俺のたった一人の娘は死んだ、
奴等がおかねをいじめ殺した、
俺は娘を可愛がっていた、
娘は検温器工場の女工だった、
彼女は熱が四十度ばかりあった、