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かくだいされゆくこくどうぜんせん
日本プロレタリア文学集・39 プロレタリア詩集(二)
広海 大治
Read 日本プロレタリア文学集・39 プロレタリア詩集(二) (かくだいされゆくこくどうぜんせん) by 広海 大治 (ひろうみだいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 4,128 characters · 10 screens
雪はうず高く覆い
潮は打ち寄せては凝結し
真白い氷の棺となり
潮流に乗せて海峡を北へ葬送するのであろうに
ああだが!
荒み果てた俺の心の隅っこにも
せめぎ切れぬ人の面影
海峡二つの彼方の内地には
齢老いたお母あが居るのだ
俺を此のどん底へ追いつめた生活のきずながあるのだ
今はもう畑一切れもないさびれた故郷の村があるのだ
水平線の果て波浪は輝き
赤々と沈む太陽
焼ける雪 たぎりたつ波
照り返す 波と雲と
落陽と氷流と
とろける赤と金色
生きている!
生きている空と海
陸も海も 天地いっぱい
ああ何にも生きている世界だ
ぼろっ切れを投げ捨てろ
胸を 胸の皮引き剥がして仕舞え
ぐっと胸突きあげてくるもの
そいつが空いっぱい氾濫するのだ
今!
大陸へ沈む太陽
赤い翼馳ってシベリアを越え
ロシアの空に暁の訪れをするのだ
俺は大口開き頬すじ落ちる涙をなめて
せまる思いの胸をはだけ
夕焼の光をぐっと呑み込む
明日の為に! 此の傷いた身体を曳ずろう
何処までも何時までも曳ずって行こう
ぶたれけられてもしつこく生き伸びてやろう
生きる為に体温をたくわえ
大地の氷の解ける春を待とう
サガレンの赤い