Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

あねがわのかっせん

日本合戦譚

菊池 寛

Read 日本合戦譚 (あねがわのかっせん) by 菊池 寛 (きくちかん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 154,771 characters · 313 screens

Aozora Bunko

応仁元年九月一日、西軍五万余人は大挙して三宝院を襲い、是に火を放って、京極勢の固めて居る浄花院に殺到して行った。

西軍の勢力は、日々に加わり、東軍は多くの陣地を蚕食されて、残すは只相国寺と、勝元邸だけとなった。兵火に焼かれた京都は、多く焼野原と化して、西軍の進撃には視界が開けて居て好都合である。昂然たる西軍は此の機に乗じて相国寺を奪い、東軍の羽翼を絶たんとした。

先ず彼等は一悪僧を語らって、火を相国寺に放たしめた。さしもの大伽藍も焼けて、煙姻高く昇るのを望見するや、西軍は一挙に進撃した。此の決戦は未明から黄昏まで続いたけれど勝敗決せず、疲れ果てて両軍相共に退いた。此の日の死骸は白雲村から東今出川迄横わり、大内及び土岐氏の討ち取った首級は、車八輛に積んでも尚余り有ったと云う。

丁度将軍義政の花の御所は、相国寺の隣りに在った。此の日余烟濛々として襲い、夫人上達は恐れまどって居るのに、義政は自若として酒宴を続けて居たと云う。こうなれば、義政も図々しい愉快な男ではないか。

戦後小雨あって、相国寺の焼跡の煙は収った。

此の戦闘以後は、さして大きな衝突もなく、両軍互いに持久戦策をとり、大いに防禦工事を営んで居る。