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めいじげきだん ランプのもとにて
明治劇談 ランプの下にて
岡本 綺堂
Read 明治劇談 ランプの下にて (めいじげきだん ランプのもとにて) by 岡本 綺堂 (おかもときどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 167,283 characters · 329 screens
九年(丙子) 一八七六
十年(丁丑) 一八七七
いずれも月税なり。
○六月十四日、二代目尾上菊次郎大阪に死す、六十二歳。江戸末期を盛りとしたる女形にて、名人小団次の女房役者として世に知らる。
九年(丙子) 一八七六
○三月、中村座の二番目に新作「偽織大和錦」を初演。仲蔵の馬子丑蔵が田舎訛りのベエベエ詞のゆすり場、大好評。
○片岡我童、片岡我当の兄弟、大阪より上京して、中村座の三月興行より出勤。
○五月、中村座にて「重盛諫言」を上演。団十郎の重盛は毀誉相半ばしたるが、いわゆる「活歴」なる史劇の新形式は、この頃よりおいおいに芽を噴きたるなり。
○五月、市川女寅が本郷の春木座へ稽古に通う途中、湯島切通しの坂へ差しかかりし時、俄かに眩暈を感じて人力車を降り、路ばたの西洋小間物屋へ転げ込みしに、店の人々は大家の夫人と見誤まりしという。この当時の女形の風俗を察すべし。
○十一月二十九日、日本橋区数寄屋町より失火して、中橋座も新富座も類焼す。
○十二月三十一日、浅草区馬道八丁目より出火して、中村座も村山座も類焼す。
十年(丁丑) 一八七七
○四月、新富座の仮普請出来して開場。俳優菊五郎、左団次、仲蔵、半四郎、芝翫の一座にて、大阪より中村宗十郎も上京して加入す。