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おうかをよめるく
杉田久女随筆集
杉田 久女
Read 杉田久女随筆集 (おうかをよめるく) by 杉田 久女 (すぎたひさじょ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 16,273 characters · 33 screens
女流俳句を味読す
本も沢山よまず何の学問もない私が、句評をするという事の僭越さは自分でもよく知っているが、之はただ私の勉強の為め、小倉の女流達の為め、何の理屈もなく味い感じ、学ぶ心持ちに他ならぬ。其点大方の寛恕を乞い私の味読のしかたに誤あらばドシドシ御教示仰ぎたい。
独楽もつて子等上がりくる落葉寺 立子
独楽二つぶつかり離れ落葉中 同
あばれ独楽やがて静まる落葉かな 同
赤き独楽まはり澄みたる落葉かな 同
落葉中二つの独楽のよくまはる 同
落葉に独楽を配せる連作である。第一句では、落葉が散りしき、詣でる人も少ないという様な木深い寂びた寺の境内を背景とし、そこへ独楽をもって上ってくる童たちを賑わしく登場させている。此第一句は此連作のコンポジションとも言うべきもの。
第二句では落葉の大地を切りとって、二つの独楽がはっしと投げ出され、地上に輪をえがいては互に近づきぶつかりあい飛び離れしてつくる処もなく廻っている緊張した光景を写生している。句の表には二つの独楽丈がよまれているが、其周囲に嬉々と手をうち、けしかけている童べらの姿も何となく聯想させられる。
第三句では、あばれ独楽という大胆直明な言葉で、落葉を蹴らしつつ奔放に廻り狂い、やがて速度をゆるめて落葉の中に静止して仕舞う迄の動作が写されている。