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しょくぶついちにちいちだい
植物一日一題
牧野 富太郎
Read 植物一日一題 (しょくぶついちにちいちだい) by 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 160,011 characters · 312 screens
熱帯地方ならびに南アフリカ地方の原産で俗に Watermelon と呼ばれる。
スイカは水瓜の意ではなく、西瓜の唐音から来たものであることが寺島良安の『倭漢三才図会』に出ている。そうしてみると、この水々しい瓜でも上のように水瓜の意味ではないことが分かる。
白井光太郎博士の『植物渡来考』に『長崎両面鏡』を引いて「天正七年に西瓜南瓜の種来る」と書いてある。しかるに御小松院の時の人、僧の義堂の詠じた詩でみれば、なおその前に西瓜があったことになる。そしてその詩は「西瓜今見ル生ルコトヲ二東海ニ一剖破スレバ含ム二玉露ノ濃ナルヲ一」である。貝原益軒の『大和本草』によれば、スイカは寛永年中に初めて異国から来たとある。寺島良安の『倭漢三才図会』には西瓜は慶安年中に黄檗の隠元が入朝の時、西瓜、扁豆等の種子を携えてきて初めてこれを長崎に種えたとある。すなわち上の寛永よりは少し後ちである。そして右のインゲンマメは Dolichos Lablab L. を指している。すなわちこれが隠元携帯の本当のインゲンマメである。今日いう Phaseolus vulgaris L. のインゲンマメは隠元とは無関係の贋のインゲンマメであって、隠元の名を冒しているものであることを承知していなければならない。