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しょくぶついちにちいちだい
植物一日一題
牧野 富太郎
Read 植物一日一題 (しょくぶついちにちいちだい) by 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 160,011 characters · 312 screens
単にこれが自然に出来るばかりでなく、いつでも人の手によってもそれをこしらえ得るのはやすやすたることである。
『紀伊国名所図会』二之巻海部郡の部(文化八年発行)に「片葉の蘆 和歌津や村の北の入ぐちにあり是また蘆戸の遺跡也すべて川辺のあしは流につれて自然と片葉となるものあり又其性を受て芽いづるより片葉蘆と生ずるものもあらん此地もいにしへは入江あるひは流水のところにて其性をつたへて今に片葉に生ずるか風土の一奇事と云べしつのくに鵜殿のあしと同品なり」と書いてある。そしてその片葉となるのは一方へ一方へと流れる水の性を受けて生ずるように考え違いをしている。
『摂津名所図会』巻之四には「片葉蘆 按ずるに都て難波は川々多し淀川其中の首たり其岸に蘆生繁て両葉に出たるも水の流れ早きにより随ふてみな片葉の如く昼夜たへず動く終に其性を継て跡より生出るもの片葉の蘆多し故に水辺ならざる所にもあり難波に際ず八幡淀伏見宇治等にも片葉蘆多し或人云難波は常に西風烈しきにより蘆の葉東へ吹靡きて片葉なる物多しといふは辟案なり」と記してあるが、この辟案[牧野いう、辟は僻と同義]だといっている方がかえって辟案で、風のために片葉の蘆が出来るというのがかえって正説である。