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なりひらぶんじひょうりゅうきだん
業平文治漂流奇談
三遊亭 円朝
Read 業平文治漂流奇談 (なりひらぶんじひょうりゅうきだん) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 159,974 characters · 317 screens
のだろう、早速ながら脈を診ておくんなさい」
森「何を云ってるんでえ」
文「医者ではない、お前さんは亥太郎さんの親父(おとっ)さんかえ」
長「へえ、私(わし)は亥太郎の親父(おやじ)です」
文「私(わし)は本所の業平橋にいる浪島文治郎と云う至って粗忽者(そこつもの)、此の後(ご)とも御別懇に願います」
長「なに、そう云う訳ですか、生憎(あいにく)亥太郎が居りませんが、もう蔵は冬塗る方が保(もち)がいゝが、今からじゃア遅い、土が凍りましょう」
森「何を云うのだ、聾(つんぼ)だな…そうじゃアねえ、お前(めえ)さんは左官の亥太郎さんの親父(おとっ)さんかと聞くのだ、此方(こなた)は本所の旦那で浪島文治郎と云うお方だ」
長「なに、江島(えじま)の天神さまがどうしたと」
森「分らねえ爺(と)っさんだ、旦那が声が小せいから尚お分らねえのだ、最(もっ)と大きな声でお話なせえ」
文「私(わし)は本所業平橋の浪島文治郎と申すものです」
長「はア、本所業平橋の浪島文治郎と仰(おっし)ゃるのか、亥太郎の親父(おやじ)長藏と申します、お心易(やす)く」