Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Read 江戸三国志 (えどさんごくし) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 577,271 characters · 1141 screens

Aozora Bunko

老いて緑林の渡世のはかなさを覚り、悪事の足を洗って厚木に煙草問屋の店をもったことの彼の述懐は、金吾にもうなずけました。

しかし、そこへ以前の悪事仲間の日本左衛門に頼られて来て、つい、何かの相談に乗るようになったところへ、また折悪く出火に会って店を烏有に帰したので、その晩から元の裸一貫となると同時に、彼の仕事に組して老後の一かせぎという野心を起した――などと語りつぐ彼のことばもいかにも真実らしい嘆息に聞かれる。

暗殺の籤のこと。

そして、自分が金吾を殺す籤をひきあてたことなど――

それらのことも順序を追って話してから、

「で、あっしはあなたの蔭に添って、一時は隙をねらっていましたが、ただ、相良という名が気になって、どうも思い切ったことができないので、実はこの甲府へ来る前に、いったん江戸表へ引っ返して、市ヶ谷にある尾張様のお長屋のものに、それとなく聞き探ってみると、相良勘解由様もとうの昔に亡くなられたし、御子息の金吾様も今は若殿万太郎様の御勘気の責めを負って、共に、お行方が知れないといううわさ……アアやっぱり金吾というのは昔の丈太郎坊ちゃんだったかと、あっしは、あっしは……」