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かいていたいりく
海底大陸
海野 十三
Read 海底大陸 (かいていたいりく) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 89,400 characters · 179 screens
「事務長、たばこをお持ちじゃありませんか」
と、室のすみにうずくまっていたマルラが、とつぜん顔をあげていった。
「なに、たばこだって? たばこならあったはずだ。そうだ、このさわぎにたばこをのむことすらわすれていたねえ。マルラ、こっちへ来い。いっしょにのもう」
マルラは事務長のやさしい言葉にあって、犬の子のようにゴソゴソはいよっていった。
「さあ手を出して。ホラ、たばこを受け取ってくれ」
ふたりは手さぐりで、紙巻たばこを一本ずつ取り出した。
「マッチは?」
「おお、マッチもあるぞ」
クーパー事務長は、ポケットをさぐって、マッチを取りだした。そして、何のちゅうちょすることなく、シュッと火をつけた。
その瞬間だった。
「ギャーッ!」
と、とつぜん、怪しい悲鳴が聞こえた。みょうな声音だ。人間がそんな奇妙な声を出すのをはじめて聞いたとクーパーは思った。とたんに、あわてきったような足音――それは、なにか大きなぬれ足を引きずるような、ペッチャ、ペッチャという音だったが、入口の方に消えていった。
クーパーは、秘書のマルラが気がおかしくなったんだとばかり思っていた。
「かわいそうなマルラだ。