Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

えんげきのようしき――そうろん

演劇の様式――総論

岸田 国士

Read 演劇の様式――総論 (えんげきのようしき――そうろん) by 岸田 国士 (きしだくにお) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 11,091 characters · 22 screens

Aozora Bunko

7

という名を冠してもよい芝居があり、ことに、衣裳に至つては、「コスチュム・プレイ」の名さえある一種のスペクタクル(観世物)が存在する。

詩文、すなわち、文芸的な要素といえば、戯曲にちがいないが、これはもう、「狭い意味の演劇」に属するから、ここであらためて説明する必要はあるまい。

最後に、俳優術であるが、これまた、前項で、俳優万能の「演劇」についてふれておいたとおりである。但し、ここで、もし、これを「演劇」の一様式として、強いて、ジャンルの名を与えるとすれば、イタリアにその源を発した「コメディア・デルラルテ」であろう。いわゆる「即興劇」の一種で、「脚本なしに演じる芝居」の代表的な様式である。

7

名称というものは、すべて、得てして便宜的なものである。

「演劇」のいろいろな「かたち」に与えられた名称も、あるものは、時代を画する一様式の典型を指す場合もあるが、その時々に、批評家や、世間や、作者自身が、思いつきで、または、宣伝の意味で、「新奇な試み」に貼りつけたレッテルにすぎない場合も多いのである。

日本でも、そういう例は今日までたくさんある。

「中間劇」などというのは、なんのことだか想像もつかぬような名称であるが、これがわが国の一時代の劇壇には、ちやんと通用したひとつの「演劇のかたち」