Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Read 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) by 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 132,395 characters · 263 screens
法水麟太郎と支倉検事が「鷹の城」を訪れたのは、かれこれ午を廻って二時に近かったが、陽盛りのその頃は、漁具の鹹気がぷんぷん匂ってきて、巌は錆色に照りつけられていた。
ウルリーケとともに艙蓋を下りるまでにはだいたいの聴取は終っていたが、何より海底という、あり得べくもない自然の舞台と謎の味が、彼をまったく困惑させてしまった。
のみならず、それはかつていかなる事件においても現われたことのない、驚くべき特質を具えていたのである。
と云うのは、現場が扉と鍵で閉されていたにもかかわらず、艇内をくまなく探しても、八住を刺した凶器が発見されなかったのである。しかも周囲は厚い装甲で包まれ、その外側が海底であるとすれば、とりもなおさず、現場は三重の密室ではないか。
ウルリーケはこまごま当時の情況を述べたが、それはすこぶる機宜を得た処置だった。
彼女は、犬射復六の手で扉が開かれると、すぐ前方の扉がまだ開かれていないのを確かめた。そうしてから、機関部員の手で、自分をはじめ三人の盲人にも身体検査を行い、なおかつ、その時刻が、五時三分であった事までも述べたが、ウルリーケはそれに言葉を添えて、