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まきのとみたろうじじょでん
牧野富太郎自叙伝
牧野 富太郎
Read 牧野富太郎自叙伝 (まきのとみたろうじじょでん) by 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 94,045 characters · 185 screens
海を渡る日本人の頭脳
学術資料としてアメリカの大学に献納を予約
海を渡る日本人の頭脳
学術資料としてアメリカの大学に献納を予約
平和によみがえった太平洋の波涛を越えて牧野博士の頭脳が学術資料としてはるばるアメリカ・コーネル大学に送られ、総司令部経済科学局でもこれを援助すると言う新生文化日本にふさわしい快適なニュースがある。
わが国植物学界の権威として知られている元帝大講師理学博士牧野富太郎氏は今板橋区東大泉五五七のこんもり茂った森にある研究室で八十五歳の高齢も吹きとべといった元気さで植物の研究を続けている、土佐に生れ若い時から酒も飲まず、煙草もすわず小学校を半途退学で独学力行、今日を築いた人だ、この人の頭脳なら立派なものだろうとアメリカに永年滞在し民間外交官とまでいわれる谷邨一佐氏は一九三七年ニューヨーク・コーネル大学教授パペーズ博士の依頼により牧野博士の頭脳を推奨し、同氏を訪問して快だくを得たものである、コーネル大学には世界各国人の優秀な頭脳が一堂に集められているが、日本人の脳だけがないので博士の頭脳がここに予約されたのだ、八十五歳といえばこたつにでも入り隠居生活をしているのが世間の常識だが、博士は溢れる元気で夜は午前一時から二時頃まで、時に徹夜までして一生の事業たる植物の着色、図説に没頭している、食料難のこのごろ果して健康が保たれるかと家人の心を痛めさせているくらい