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しょうせんでんしゃのしゃげきしゅ
省線電車の射撃手
海野 十三
Read 省線電車の射撃手 (しょうせんでんしゃのしゃげきしゅ) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 22,355 characters · 45 screens
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「ううウ」と警部は電話機に獅噛みついて呻った。「そそそれも存じませんが……」
「……」総監は無言だった。総監も呻っているのであろう。
「総監閣下、失礼ですが、誰がそんなことを申しましたか」
「帆村荘六氏じゃ、私立探偵の。いま私の邸に見えて居られる」
帆村荘六といえば、警部は知らぬ人でもなかった。まだ経歴の若い素人探偵だったが、モダーンな科学探偵術をチョコチョコふりまわし、事件を不思議な手で解決するので、少し評判が出てきた人だった。
「君が必要なとき、いつでも応援をして下さるそうだ。今、お願いしておこうか」
「いえ、それには及びません」大江山捜査課長は、泣きだしたいような気持をこらえて、断然拒絶した。
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大江山警部は電話をガチャリと切ると、しばし其の場に立ちすくんだ。考えてみるまでもなく、彼の立場はたいへん不運だった。彼は今度の事件で、どうしたものか、犯人の目星を一向につけることができなかった。昨日今日の事件ではあるが、林三平、倉内銀次郎、戸浪三四郎、赤星龍子、笹木光吉と疑いたい者ばかり多いくせに、犯人らしい人物を指すことができないのだった。唯今の総監の言葉から思いついたことは、電気の先生だった戸浪が相当頼母しい探索をしていてくれるから、彼と同盟すれば、大いに便宜が得られるであろうという見込みだが、但し戸浪自身が犯人