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いしのかみとさえのかみと
石の信仰とさえの神と
折口 信夫
Read 石の信仰とさえの神と (いしのかみとさえのかみと) by 折口 信夫 (おりくちしのぶ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 7,221 characters · 15 screens
霊力のある石の神と精霊との間に、争いによって解決がついたことを、抑えつけておく。すると昔どおり精霊が悪いことをしないと考えた。
石の信仰は、※(丸1、1-13-1)神体としての石、※(丸2、1-13-2)石占い、※(丸3、1-13-3)精霊を抑える石、※(丸4、1-13-4)生殖器崇拝の石と、この四つに分けておいたらよかろう。なにも、生殖器の形をしていなくても、昔の人は、神の威力を考えるので、ここに物を増殖する霊力が宿っていると思うことができた。自然界にはいろいろな形をした石があるから、だんだん生殖器に似た形の石が選ばれて、農村の収穫が殖えてくるということを中心にして、これが分化してゆく。そして人間が殖えてくるということになるのである。
人間が殖えてくることは、近世の田舎では、あまり歓迎すべきことではなかった。いやな語だが、「まびく」などということも行なわれた。石の力で対抗して、土地の悪い精霊を追い払うことを考える。これは、生殖器に似ているため、生殖器のもつ力の現われというふうに考える。その場合、石に含まれているたまの力というより、生殖器のもっている力と考える。