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ふくざわゆきち
福沢諭吉
高山 毅
Read 福沢諭吉 (ふくざわゆきち) by 高山 毅 (たかやまつよし) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 54,555 characters · 109 screens
」
酒屋のおやじさんが、こっそりさぐらせると、なにかひどくくさいにおいのするもののじっけんにつかっているというのです。
酒屋はその後、なんといっても酒をもってこなくなりました。これには、みんなこまりました。
このときのじっけんでは、アンモニア水をつくれたものの、かたまらず、かんぜんなろしゃになりませんでしたし、あまりくさいので、いったんうちきることにしました。しかし、せっかくできかかったものをやめてしまうのは、学者のふめいよだというので、二、三人のものは、淀川に船をうかべて、じっけんをつづけました。
ところが、風むきによって、そのくさいにおいが、川から町のほうへながれていくので、またそこからもんくがでました。それで、川上のほうへのぼったり、川下のほうへくだったりしながら、研究をつづけるというありさまでした。
このように、適塾の書生たちは、ときにしっぱいしたり、ときには、せけんの人々からしかられるようなこともしましたが、どれもこれも、青年らしい、あたらしいことをしりたいという、はげしい気持ちのあらわれでした。自分たちだけが、西洋のすすんだ学問にせっしているのだというほこりが、みんなの心の中にありました。