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はですがたまんねんわかしゅ
艶容万年若衆
三上 於菟吉
Read 艶容万年若衆 (はですがたまんねんわかしゅ) by 三上 於菟吉 (みかみおときち) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 33,800 characters · 67 screens
「つい今しがた町内の若い衆達に出逢うたら何やらお春の身の上に、変った事でもあるようなひょんな噂をききましたが、堅いお春じゃゆえ真にせずに、そのまま笑って別れたものの、どうやら少し気にかかる。わしが事より妹の上を、どうぞ気をつけてやって下され」
母のおたきはそれを聞いて息子と同じく眉を寄せたが、然しそこは女親、娘をかばう情けの口振で
「なんの、なんの、気もないこと、もっとも此頃贔屓にして、始終招んで下さる方があれど、それもただのお客さま、わしがこうしてついてる程に、決して案じてたもるな」
「その贔屓な客というのは、一体どんな方なのじゃ」
「それはそれは美しい、年はわしと同い年、さるところの若殿様じゃ」
お春は帯をひきしめ乍ら、
「あのような方に御贔屓うけるわしのうれしさを兄さんにも、どうぞ分けてあげたいようじゃ」
「これこれ何をそのように邪気ないことばかり言っているのじゃ」
母も傍からたしなめます。
兄人は思い深く、
「ほんに此れは人の口端ばかりではなさそうな……したがわしの思うには、いまの其方に何を言うても解るまいが、身分違いの色恋は、大てい幸福に終らぬものじゃ」