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しちひゃくごじゅっく

虚子五句集(下)〔全2冊〕

高浜 虚子

Read 虚子五句集(下)〔全2冊〕 (しちひゃくごじゅっく) by 高浜 虚子 (たかはまきょし) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 37,288 characters · 78 screens

Aozora Bunko

昭和二十九年

十一月十二日 新聞雑誌社より新年の句を徴されて。

昔より月の桂子長けて

十一月二十八日 中西桂子新婚。

縁に腰そのまゝ日向ぼこりかな

十二月十三日 鎌倉玉藻会。英勝寺。

我が仕事炬燵の上に移りたる

十二月十九日 句謡会。草庵。

書き留めて即ち忘れ老の春

歩み去る年を追ふかに庭散歩

十二月二十九日 草樹会。和光。

眠れねばいろ/\の智慧夜半の冬

十二月三十日 句謡会。和光。

昭和二十九年

時雨れつゝ何の疑ふ所もなく

一月二十日 高崎雨城を弔ふ。

この雪に敢て会する誰々ぞ

一月二十一日 上海すみれ会。和光。

名にし負ふ木曾の春水堰き止めて

二月一日 丸山ダムの句を徴されて。

祖母立子声麗らかに子守唄

二月二日 立子孫、高。

鉢木瓜に水やることも日課かな

二月二十八日

年老いし椿大樹の花の数

花の数倍にも見えて風椿

春泥を人罵りてゆく門辺

三月七日 草樹会。光則寺。

ほむらとも我心とも牡丹の芽

三月八日 物芽会。光則寺。

木の芽伸ぶきのふ驚き今日驚き

窓外に椿ある故淋しからず

三月十日 土筆会。草庵。

日の当る水底にして蘆の角

三月十七日 大崎会。英勝寺。

足もとに春の寒さの残りをり

犬の舌赤く伸びたり水温む

三月二十二日 句謡会。