Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

みつのあわれ

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

室生 犀星

Read 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) by 室生 犀星 (むろうさいせい) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 88,662 characters · 174 screens

Aozora Bunko

どうも、にこにことお話したそうな様子がおかしいと思っていたら、当っちゃった、何、お話していらっしったの。」

「きみの事さ。」

「あたいの何をお話していたの。」

「きみは僕のお嬢さまかと聞いたから、まあ、そんなものだと答えたんだ。そしたら、とても、お小さいけれどお利口そうだと言っていた。」

「妬きもちやきで困ると、仰有ったのでしょう。」

「それも言って置いたよ、何でも油断のならない子だと、」

「あたいが金魚だなんて、仰有りはしなかったでしょうね。」

「それは言わなかった、言っても本当だとは思わないからだよ、金魚がそんなに巧く人間の形をととのえることは、予想以上のことなんだ。」

「で、一体、何のご用があったの。」

「ちょっとした事だ、きみに言ったって判りっこのない事だ。」

「たとえば?」

「きみには判らないことなんだよ。」

「あたいに判らないことなんか、一つもない筈よ、匿さないで言って頂戴、あたい、はじめあの方に好意を持っていたけれど、おじさまを奪りあげるような人は、悉くみんな敵に廻すわ。」

「手厳しいな。」

「何か隠していることおありでしょう、きっと、隠している。」

「隠してなんかいるものか。