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にんしきろんとはなにか

認識論とは何か

戸坂 潤

Read 認識論とは何か (にんしきろんとはなにか) by 戸坂 潤 (とさかじゅん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 58,432 characters · 116 screens

Aozora Bunko

それと平行して、論理的なものも亦、決して世間で普通考えているように論理的なものではない。事物の歴史的運動は一定の能動的な法則を持っている。そういう歴史的法則を論理と見做すことも、強ち不自然なことではない。論理は元来、何かの意味で客観的なものであったから無理はない。だが単なる事物だけで、それが認識(広義に於ける)されるということがないならば、この事物の客観的法則を論理と呼ぶ動機はなかった筈だ。すると論理とは認識主観を一枚※(「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28)入することによって初めて意味を得る処の言葉である。で論理が認識主観=意識から離れては考えることの出来ないのは、当然なことだ。論理はその横たわる台床からすれば、その身を置く場所からすれば、意識にぞくする。夫をこの言葉の第一の意義とする。この台床の上にあって、意識を客観化する力を持つものが論理だ。それは意識を貫き、意識を動かし、意識を進める自発的な力を意味しようとするものである。だから感情にも意志にもロジックは不可欠だ。単に情意が論理と無関係でないというだけではなく、情意を動かし進め貫くメカニズムが、論理と呼ばれ得る。