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にんしきろんとはなにか

認識論とは何か

戸坂 潤

Read 認識論とは何か (にんしきろんとはなにか) by 戸坂 潤 (とさかじゅん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 58,432 characters · 116 screens

Aozora Bunko

第五章 思想について

之については拙稿「道徳の観念」〔本全集第四巻所収〕に譲ることにする。)

第五章 思想について

吾々はすでに、認識という観念を広範な意義に於て理解した。之に準じて、認識の対象である真理(之は実在乃至リアリティーと双関する概念であったが)も亦、広範に理解されねばならなかった。そしてこの真理認識を行なうものが意識であった。つまり認識とは意識の仕事である、という平凡な言葉に、言葉としてはつきているわけだ。処で、こうした意識が何かの仕方によって客観的に歴史的社会的実在として形を取ったとも見られる場合、つまり意識の客観的内容、認識の具体的な形象、之は一般的に、文化と呼ばれている。で吾々は最後に、認識をば文化について検討しなければならぬ。蓋し文化の問題は、認識論の最も実際的な必需課題であるのだから。

文化はドイツ古典哲学(主に歴史哲学・文化哲学)風に言えば、客観的精神である。ドイツ語の精神(ガイスト)は、この場合には元来が、或る客観的なものを意味する。決して主観的なもののことではない。だがそれにしても文化は、或る主観的なるもの、それを意識とか主観的な精神とか心理とか、又内部的生命とか考えるわけだが、この主観的なものの、客観化され対象化されたものと見做される理由から、之を客観的「精神」