Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Read 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) by 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 162,569 characters · 336 screens
長彦と丸彦
一
むかし、近江の国、琵琶湖の西のほとりの堅田に、ものもちの家がありまして、そこに、ふたりの兄弟がいました。兄はたいへん顔が長いので、堅田の顔長の長彦といわれていましたし、弟はたいへん顔が丸いので、堅田の顔丸の丸彦といわれていました。
顔長の長彦は、体がやせて細く、少しも力がありませんでしたが、たいそう知恵がありました。そして、京の都からやって来て、そこに隠れ住んでいる、年とったえらい先生について、いろいろなことを学んでいました。
顔丸の丸彦は、知恵はあまりありませんでしたが、体がまるまるとふとって、たいそう力があり、むじゃきな乱暴者で、野原や山を駆け廻ったり、剣や弓のけいこをしたりしていました。
このふたりの兄弟は、いたって仲がよく、互いに敬いあっていました。
ある年の夏、ひどいひでりがして、琵琶湖の水が一メートル半程もへりました。そのひでりのため、米や芋がほとんどとれませんでしたから、そのあたりの人々は、たいへん困りました。食ものにもだんだん不自由するようになりました。
堅田の顔長の長彦は、一日一晩、考えつづけました。そしてそのあたりのおもだった人たちに相談しました。