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あかいカブトムシ
赤いカブトムシ
江戸川 乱歩
Read 赤いカブトムシ (あかいカブトムシ) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N4. Tap a word for the meaning.
N4 · beginner · modern kanji and kana · 23,237 characters · 47 screens
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ちか室のてんじょうが大きく開いて、おとなの三ばいもあるせいどうのまじんが、ふわふわとちゅうにうき、そのまま空の方へまい上がっていきました。
まじんの足にしがみついていた井上一郎くんも、いっしょに、空へまい上がっていくのです。
「おうい、井上君、手をはなせよ。そして、下へとびおりるんだっ。」
下から、小林くんが、大声でさけびました。
まじんの足は、ちか室のゆかから、もう三メートルもうき上がっていましたが、井上くんは思い切って手をはなし、ぱっととびおりました。
そして、コンクリートのゆかにしりもちをついて、かおをしかめています。
「あいつ、赤いカブトムシを口に入れたまま、とんでいってしまったよ。早く追っかけなけりゃあ。」
「よしっ。なわばしごだっ。」
小林くんはそうさけぶと、おなかのシャツの下にまきつけていた、じょうぶなきぬひものなわばしごをするするとほどいて、その一方のはしについている鉄のかぎを、開いたてんじょうへ投げ上げました。
なん度もしくじったあとで、やっとそのかぎが、てんじょうのあなのふちにひっかかったのです。
しょうねんたんていだんのなわばしごは、一本のきぬひもです。