Japanese reading practice

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あかごうしくろうえもんのむすめ

赤格子九郎右衛門の娘

国枝 史郎

Read 赤格子九郎右衛門の娘 (あかごうしくろうえもんのむすめ) by 国枝 史郎 (くにえだしろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 16,174 characters · 33 screens

Aozora Bunko

この点ご心配には及びませぬ」

「左様か」と卜翁は素気なく、

「して拙宅を訪ねられたは何かご用のござってかな?」

「左様」と鹿十郎は云ったものの、どうやらその後を云いにくそうに暫くじっと俯向いていたが、

「卒爾のお尋ねではござりますが、もしやお屋敷の召使中にお菊と宣るものござりましょうか?」

「お菊? お菊? いかにも居ります」

「実は」と鹿十郎は膝を進め、

「召捕りましたる海賊の口より確と聞きましたる所によれば、その女子こそ海賊船の頭領とのことにござります」

「ははあなるほど。左様でござるかな」

卜翁はいかにも平然と、

「それで訪ねてまいられたか?」

「はい追い込んで参りました」

「お菊は拙者の妾でござる」

「ははあ左様でござりますか」

今度はかえって鹿十郎の方が一向平気でこう云った。

毛剃丸の行方

「追い込んで参ったというからには、いずれ屋敷の四方八方、捕方を配したでござろうな?」

探るように卜翁は訊く。

「仰せの通りにござります。はなはだ失礼とは存じましたが、お庭内まで乱入致し、離れ座敷の出入口まで人を配りましてござります」

「や、それこそお手柄でござった。お菊はあそこに居るのでござるよ」