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ゆうせいしょくみんせつ
遊星植民説
海野 十三
Read 遊星植民説 (ゆうせいしょくみんせつ) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 4,014 characters · 9 screens
お忘れもののないように、毎度ありがとう御座い」
「まア、ここは屋上。博士の研究室なんてありゃしないわ。あら、あすこにネーム・プレートが下っている。まるで、エッフェル塔の天辺に鵠が巣をかけたようね。では、下界で待っているあの人のために、第二にはロードスターのために、第三は原稿料のために、第四は編集長のために、勇気を出して、この鉄梯子に掴まって登りましょう。誰も、梯子の下に、タカリやしないでしょうね。エッサ、エッサ、エッサラエッサ」
カンカンと、ノックの音。
「ゴーゴンゾラ博士!」
「……」
「ゴーゴンゾラ博士ったらサ! ご返辞なさらないと、ペンチで高圧電源線を切断ってしまいますよ、アリャ、リャ、リャ、リャ……」
「これ、乱暴なことをするのは、何処の何奴じゃ」
「博士ね、ここに紹介状を持って参りましたワ」
「おお、なんと貴女は、美女であることよ! 紹介状なんか見なくとも宜しい。さあ、早く入った、入った」
「オヤオヤ、あたしのイットが、それほど偉大なる攻撃力があるとは、今の今まで知らなかった。では、御免遊ばせ。まア博士の研究室の此の異様なる感覚は、どうでしょう! まるでユークリッドの立体幾何室を培養し、それにクロム鍍金を被せたようですワ。