Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

くぎぬきとうきちとりものおぼえがき

釘抜藤吉捕物覚書

林 不忘

Read 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) by 林 不忘 (はやしふぼう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 12,598 characters · 26 screens

Aozora Bunko

そこへに組の常吉が普請の用で来合わせたので、共々調べて訊いてみたところが、どうも昨日はここまで土を塗ってなかったという。して見ると、ゆうべのうちに殺っておいて首と胴とを切断し、胴は壁へ塗り込んで、さて、首は――もはや言わずと知れた細工であった。

「常さんがお長屋に居残って死体の番、あっしゃあひとまず飛んで帰ったわけだが、親分、すぐにも出向いておくんなせえ。」

「勘兄哥、そりゃあお前、采女の馬場だと?」黙っていた彦がこの時眼を光らせた。「縮緬ずくめの装束? ふうん。」

「ふうんもねえや。知れたことよ。殺らされたのあその芝居者だ。眉毛のねえのも女形なりゃこそ。何てったけのう、え、彦。」

「嵐翫之丞。」

「嵐家なら、屋号は?」

「岡島屋、豊島屋、葉村屋、伊丹屋に――。」

「うん?」

「吾妻屋。」

「それ見ろ。」

彦兵衛は眼をぱちくり、首の件を知らないから呑み込めずにいると、役者のことは初耳ながらも、勘次はなるほどと小手を叩いて、

「首の出所は知れやした。が親分、犯人は?」と思わず乗り出す。

釘抜藤吉は哄笑した。

狭い棟割が揺れをほどの大声だった。そしてやはり寝たままで、