Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
に、さんば――じゅうに、さんば
鏡花短篇集
泉 鏡花
Read 鏡花短篇集 (に、さんば――じゅうに、さんば) by 泉 鏡花 (いずみきょうか) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 33,305 characters · 66 screens
)――時に、女中がいけぞんざいに、取込む時引外したままの掛棹が、斜違いに落ちていた。硝子一重すぐ鼻の前に、一羽可愛いのが真正面に、ぼかんと留まって残っている。――どうかして、座敷へ飛込んで戸惑いするのを掴えると、掌で暴れるから、このくらい、しみじみと雀の顔を見た事はない。ふっくりとも、ほっかりとも、細い毛へ一つずつ日光を吸込んで、おお、お前さんは飴で出来ているのではないかい、と言いたいほど、とろんとして、目を眠っている。道理こそ、人の目と、その嘴と打撞りそうなのに驚きもしない、と見るうちに、蹈えて留った小さな脚がひょいと片脚、幾度も下へ離れて辷りかかると、その時はビクリと居直る。……煩って動けないか、怪我をしていないかな。……
以前、あしかけ四年ばかり、相州逗子に住った時(三太郎)と名づけて目白鳥がいた。
桜山に生れたのを、おとりで捕った人に貰ったのであった。が、何処の巣にいて覚えたろう、鵯、駒鳥、あの辺にはよくいる頬白、何でも囀る……ほうほけきょ、ほけきょ、ほけきょ、明かに鶯の声を鳴いた。目白鳥としては駄鳥かどうかは知らないが、私には大の、ご秘蔵――長屋の破軒に、水を飲ませて、芋で飼ったのだから、笑って故と(ご)の字をつけておく――またよく馴れて、殿様が鷹を据えた格で、掌に置いて、それと見せると、パッ