Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Read 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) by 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 15,028 characters · 30 screens
千人悲願
……手前の見こみじゃ、別にわれわれが手をださずとも、時期がくりゃあ、源次郎と萩之進は、黙ってたって古河へ帰るはずなんです」
藤波は、きっぱりした顔になって、
「そうですか、話はよくわかりました。俺も手をひくからお前も手をひけという。なにも役所の仕事じゃあるまいし、いわばほんの頼まれごと。そうまでいわれて、意固地にいやとはいいきれないところだが、それにしちゃア、あなたのしかけが悪い。話だけならともかく、千太が、こんなざまにされた上で、ああそうですかじゃ、いかにもおどされて引っこんだようで、私の顔が立たない。せっかくだが、その件はおことわりします」
と、膠もない。
千人悲願
小塚原天王の祭礼で、千住大橋の上では、南北にわかれて、吉例の大綱ひき。深川村と葛飾村の若衆が、おのおの百人ばかりずつ、太竹ほどの大綱にとりつき、エッサエッサとひきあっている。両方の橋のたもとはこの見物で、爪も立たないような大変な人出。
こういう騒ぎをよそにして、岡埜の大福餅の土手下に菰を敷いた親子づれの乞食。親のほうはいざりでてんぼう。子供のほうは五つばかりで、これも目もあてられない白雲あたま。