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おりべというとうき

魯山人陶説

北大路 魯山人

Read 魯山人陶説 (おりべというとうき) by 北大路 魯山人 (きたおおじろさんじん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 62,241 characters · 127 screens

Aozora Bunko

美濃大平発掘鼠志野大茶碗

形がまるくても、ゆがんでいても、すべて優れているのである。

因みに十年前『陶磁器百選』の著者が鼠志野を指して、瀬戸の窯変であろうと説明しているが、今日では勿論そんな訳のものでなく、初めからこういうものに造ろうと計画的に造ったものである。それは事実鼠志野が数多く今に存在していることと、殊に美濃古窯発掘後、その戸籍まで突き止められた事実に鑑みて明らかである。

もし窯変の説を通そうとするならば、窯変しなかったらどういうものを造ろうとしたのであろう、ということを考えなければならない。ただ窯変を説いているだけでは、甚だ意味のない素人話になる。敢えて一言補足しておく。(昭和十一年)

美濃大平発掘鼠志野大茶碗

この茶碗は見るからに雄大で、抱擁力があり、温かでしょう。それもそのはずです。桃山時代の空気で醸されて生まれて来たからです。

茶会などで名茶碗を手にすると、大概な人は昔は名工がおって、それが心血を注いで作ったと決めたがりますが、決してそうではありません。殊に桃山時代ぐらい古くなりますと、誰彼なしになにをしてもうまいようです。

現にこの茶碗が発掘された付近数々の窯跡から現われる陶器の類、例えば志野、黄瀬戸、古瀬戸、天目、織部などいうものは一つとして醜いものはありません。