Japanese reading practice

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おうごんひょう

黄金豹/妖人ゴング

江戸川 乱歩

Read 黄金豹/妖人ゴング (おうごんひょう) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.

N3 · intermediate · modern kanji and kana · 153,404 characters · 307 screens

Aozora Bunko

赤いトンガリ帽

そのあくる朝六時ごろのことです。隅田川と東京港のさかいめのあたり、造船工場などのある川岸に、ふしぎなことがおこっていました。

川岸の道路には、人が落ちないように、コンクリートの低いてすりのようなものが、ずっとつづき、ところどころ、それがきれて、船から荷物をあげるための広い坂道が、水面の近くまでくだっています。

まだはやいので、川岸には人どおりもなく、工場でも仕事をはじめておりません。そのさびしい川岸の道を、ふたりの労働者が、なにか話しながら歩いてきました。

ひとりは五十ぐらいの、ひょろひょろと、背の高いおとなしそうな男、もうひとりは、背が低くて、まるまると太ったおどけた顔の男です。長さんと丸さんです。丸さんの顔は、ゴムまりのようにまんまるで、目もまんまるですし、鼻までひらべったくて、丸いのです。くちびるのあつい、大きな口です。

「おや、へんなものが、流れているぜ。」

丸さんが立ちどまって、川岸のそばの水面を見ながら、小首をかしげました。

「うん、へんだね。こんなところに、ブイが、流れてくるなんて。」

長さんも、ふしぎそうな顔をしました。

それは、赤くぬった大きな鉄の筒のようなもので、水面から上にでている部分は、上の方がじょうご形にせまくなっているので、道化師のまっかなトンガリ帽を、うんと大きくしたような形